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【Shopifyお客様アカウント移行】実際にやってわかったこと。準備の優先順位とマイページURLの変更について
- こんな方へ
- Shopifyの「従来のお客様アカウント(マイページ)」を使っていて、移行をこれから考える方へ
- この記事でわかること
- 移行で何が変わり、何が変わらないのか
- 移行前に確認すべきこと
- あまり知られていない副作用と、その直し方
- 読み終わるころには
- 移行の全体像と所要期間がつかめ、いつ何をやるかの計画が立てられます
Shopifyの「従来のお客様アカウント」は、2026年2月26日に廃止が告知されました。今後のアップデートも技術サポートも提供されません。いずれ移行が必要になります。
ただし「いつ完全に使えなくなるか」はまだ確定していません。Shopifyは2026年後半に廃止日を発表する予定としている段階です。
この記事は、実際にお客様アカウントを移行した手順書をもとに書いています。
筆者はShopify構築支援100社以上・ECコンサルティング100名以上を担当し、食品ブランドに特化したShopify運用支援「ENCOMMERCE」を運営しています。
移行すると何が変わるのか
一番大きいのはログインの方法です。
| 従来のマイページ | 新しいお客様アカウント | |
|---|---|---|
| ログイン | メールアドレス+パスワード | メールに届く6桁の認証コード(15分間有効) |
| パスワード | 必要(お客様が記憶) | 不要 |
| ログイン後の画面 | マイページ | 注文状況ページ |
| 登録情報の編集 | マイページ内 | 右上アイコンの「プロフィール」 |
| デザイン | テーマのコードで自由に変更 | コード編集は不可。アプリの拡張ブロックで追加 |
パスワードを覚える必要がなくなり、使い回しによるリスクも消えます。
一方で、テーマのコードで自由に作り込むことはできなくなります。マイページを独自に改修していた場合、そのままは移せません。
移行しても消えないもの
不安になりやすいところなので先に書いておきます。
- お客様の購入履歴 — そのまま引き継がれます
- 顧客データ — 消えません
- アカウントそのもの — 作り直してもらう必要はありません
変わるのはログインの方法と画面の構成です。データの移行作業は発生しません。
移行前にやった3つの確認
作業の前にこの3つを済ませました。
1. マイページを独自に改修していないか
新しいマイページはテーマのコードで編集できません。これまでLiquidで手を入れていた部分があれば、アプリの拡張ブロックで代替できるか、諦めるかの判断が必要になります。
2. 使っているアプリが新しいマイページに対応しているか
大事なのは、全アプリを調べる必要はないということです。影響を受けるのはマイページに直接関わるアプリだけ。商品ページ、カート、検索、分析、受注管理などで動くアプリは無関係です。
例えば、以下のようなアプリは新マイページに対応しているか確認が必要です。
| 役割 | 代表的なアプリ |
|---|---|
| LINE連携・ID連携(マイページに連携ボタンを設置) | CRM PLUS on LINE / StoreCRM |
| ポイント・会員証(残高やバーコードの表示) | easyPoints / Omni Hub / Smile |
| 定期購入の管理画面 | 定期購買 / Mikawaya |
| ウィッシュリスト(お気に入り表示) | Swym Wishlist Plus / RYX Wishlist |
| レビュー(投稿依頼・投稿履歴) | Judge.me / Loox |
| 領収書の発行 | SAKUシンプル領収書 / 領収書 |
| 返品・交換の受付 | AfterShip Returns |
対応しているかを確認する方法
Shopifyが公式の一覧を出しています。
お客様アカウント拡張機能(Shopifyアプリストア)
このページからマイページで使えるアプリを確認できます。
導入済みのアプリなら、「設定 > チェックアウト」からエディタを開き、左の「アプリ」にそのアプリが出てくるかで判断できます。出てこなければ未対応です。
3. お客様への案内をどう出すか
お客様への告知
移行するとログインの方法が変わります。機能上は改善なのですが、お客様から見ると「なんか変わった!パスワードがない!なんだよこれ!」とびっくりするかもしれません。
想定される問い合わせは?
- 「パスワードを入れる欄がない」
- 「6桁のコードが届かない」(迷惑メールやプロモーションタブに振り分けられている)
- 「マイページが見つからない」(ログイン後の画面が変わったため)
実際にやった告知
案内ページを1枚作りました。
- 変更日を明記する — 「◯月◯日から変わります」と日付を出す。
- お客様にとっての利点を書く — 「パスワードが不要になります」「セキュリティ向上につながります」。ユーザー目線でベネフィットを伝える
- お客様がやることを明記する — 今回は事前の手続きが不要だったので「お手続きは不要です」と書きました。書かないと「何かしないといけないのか」と不安になります。
| これまで | これから | |
|---|---|---|
| ログインするとき | パスワードを思い出す/忘れたら再設定 | メールに届く6桁の数字を入れるだけ |
| パスワード管理 | 覚えておく必要がある | 不要になります |
| ログインの手間 | ログアウトのたびに入力 | ログイン状態が長く保持されます |
| 注文履歴 | マイページから確認 | これまでどおり確認できます |
あわせてFAQも用意しましょう。とくに「6桁のコードが届かない」は結構来ます...迷惑メールフォルダとプロモーションタブの確認を案内する文面を、先に書いておいてください。
知られていない副作用:URLが変わる
移行すると、マイページのURLが自社ドメインから離れます。設定を変えた覚えがなくても、自動的にそうなります。
| 移行前 | example.com/account |
自社ドメイン |
|---|---|---|
| 移行後 | shopify.com/12345678/account |
Shopify社のドメイン |
理由は、新しいマイページがテーマの外、Shopify側でホストされる仕組みに変わったからです。テーマの中のページではなくなったので、URLもShopifyのものになります。
機能上の不具合はありません。ただ購入者から見ると、決済後や会員情報を確認するときに見慣れないドメインへ飛ぶ状態になります。動いてしまうので、指摘されるまで気づきません。
もうひとつの副作用:マイページの計測が止まる
同じ理由から、こちらも起こります。マイページの計測データが取れなくなります。
テーマのコードが実行されないので、theme.liquid に貼ったGTMやGA4のタグが発火しません。不具合ではなく仕様です。
Google広告とGA4の計測を戻したい場合は、「Google & YouTube」チャネルアプリを入れてください。アプリ側が計測の仕組みを持っているので、コードを書く必要はありません。
そしてマイページでの計測には、自社ドメインを割り当てていることが前提です。shopify.com のままだと計測の対象外になります。
URLを自社ドメインに戻す手順
3つの工程に分かれていて、順番が決まっています。
購入者に見えるURLが変わるのは、最後の工程を実行した瞬間だけです。それまでは現行URLのまま動き続けるので、途中で止まっても影響はありません。DNSの反映待ちで数日空いても大丈夫です。
工程①:DNSにCNAMEレコードを追加
ドメインを管理しているサービス(お名前.com、ムームードメイン、Cloudflareなど)で追加します。
| 項目 | 設定値 | 補足 |
|---|---|---|
| ホスト名 | account |
半角小文字。ドメイン部分は入力しない |
| TYPE | CNAME |
プルダウンから選択 |
| TTL | 3600 |
既定値のまま |
| VALUE | shops.myshopify.com |
全ストア共通 |
VALUEの shops.myshopify.com は全ストア共通の接続先です。ストア固有の値(あなたのストア.myshopify.com)ではありません。どのストアへのリクエストかは、次の工程でShopify側が判別します。ここを自分のストア名に書き換えてしまう方が多いので注意してください。
サーバーごとの対応
末尾のピリオド。Shopifyの公式ドキュメントには末尾にピリオドを付けるよう書かれていますが、お名前.comではピリオドを付けるとエラーになります。付けずに入力してください。DNSサービスによって作法が違う部分です。
既存のレコードは触らないでください。この作業はCNAMEの新規追加だけで、変更も削除も伴いません。とくにAレコード(値:23.227.38.65)とホスト名 www のCNAMEは、ストア本体の表示に使われています。これらを消すとサイト全体が表示されなくなります。
作業前に、登録済みレコード一覧のスクリーンショットを撮っておいてください。何かあったときの復元根拠になります。
設定した直後にサイトを見ても何も変わりません。DNSの反映には最大72時間かかる場合があります。正常な状態です。
工程②:Shopifyでサブドメインを接続
- 「設定 > お客様アカウント」を開く。現在のURL(
shopify.com/数字/account)が表示されています - 「ドメインを変更」をクリック
- 「新しいドメイン」欄に
accountと入力。右側に自社ドメインが表示され、account.example.comになることを確認 - 「続行」をクリック。ドメイン設定の画面に移るので「接続を確認」をクリック
- 「接続済み」と表示されれば完了
エラーが出る場合はDNSの反映途中です。時間を置いて再度試してください。
接続後、SSL証明書の自動発行に最大48時間程度かかります。この間、新しいドメインにアクセスすると「保護されていない通信」の警告が出ることがありますが、発行が完了すれば解消します。ここで慌てて設定を触らないでください。
工程③:プライマリードメインに切り替え
この工程を実行して初めて、URLが実際に変わります。ここまでで終わりにしてしまう方が多いところです。
- 「設定 > ドメイン」を開く
- 追加した
account.example.comをクリック - 「ドメインのターゲットとタイプ」の「タイプ」横の「変更」をクリック
- プライマリードメインを選択して保存
切替後は、実際にログインまで通して動作を確認してください。
進め方のまとめ
| 順番 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | マイページの独自改修を洗い出す | 1H |
| 2 | マイページに関わるアプリの対応状況を確認 | 1H |
| 3 | 非対応アプリがあれば代替を検討 | 状況次第 |
| 4 | お客様への案内文とFAQを作る | 3H |
| 5 | 移行を実行し、動作確認 | 繁忙期を外す |
| 6 | ドメインを自社ドメインに戻す(3工程) | DNS反映待ちを含め数日 |
よくあるご質問
移行するとお客様のデータは消えますか
消えません。購入履歴も顧客データもそのまま引き継がれます。変わるのはログイン方法と画面構成です。
いつまでに移行する必要がありますか
完全な廃止日はまだ発表されていません(2026年後半に発表予定)。ただし従来版には今後のアップデートも技術サポートも提供されないため、余裕のある時期に計画的に進めるのが安全です。
URLが shopify.com のままだと、SEOに影響しますか
マイページはログインが必要な非公開領域なので、検索順位への直接的な影響は基本的にありません。影響があるのはブランドの見え方と、前述の計測です。
- 従来版は廃止告知済み。ただし最終期限は未確定(2026年後半に発表予定)
- 変わるのはログイン方法と画面構成。顧客データや購入履歴は消えない
- 事前確認は3つ。独自改修の棚卸し、マイページに関わるアプリだけの対応確認、告知の準備
- 一番時間をかけるべきはお客様への告知。変更日を明記し、利点として伝え、FAQを先に用意する
- 移行するとマイページのURLが
shopify.comにしれっと変わる - URLを戻す作業は3工程。最後のプライマリードメイン切替まで実行して初めて変わる
なお、同じ時期に注文完了ページでも変更がありました。2026年8月26日、Basic・Grow・Advancedプランで追加スクリプトが停止し、GA4や広告のタグが動かなくなっています。こちらは売上の計測に直結するので、心当たりのある方は別記事も確認してください。