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ChatGPTを使っても社長のチェックが減らない理由と、3段階の解決法|社員10人以下の会社のAI活用
- こんな方へ
- 社員10人以下の社長で、「社員はChatGPTを使っているのに、自分のチェックの時間が減らない」と感じている方
- この記事でわかること
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- ChatGPTを使っても、社長の手間が減らない理由
- 今のChatGPTのままで、社員ごとの出来のばらつきをなくす方法
- AIの使い方の3段階(AIに聞く・AIに頼む・AIに任せる)と、コピーして貼る手間のなくし方
- 最初にAIに回す仕事の選び方と、1か月の進め方
- 読み終わるころには
- 自社で最初にAIに回す仕事を1つ選び、今日から試せます
「社員はChatGPTを使っている。でも、自分のチェックの時間は少しも減っていない」。
そう感じるのは、社員によってAIへの頼み方がばらばらで、出てくるものの出来がそろわないからです。そろっていないから、社長が毎回すべてを確認する羽目になります。
この記事では、まず今のChatGPTのままで出来のばらつきをなくす方法を、次にAIをZoomやNotionとつないで、コピーして貼る手間までなくす方法を、当社の実例で説明します。
当社でも、議事録やメールの確認をAIに回しています。内容は2026年9月時点の情報です。
社長のチェックを減らすには、社長が作った「見本」をAIに渡し、AIとツールをつなぎます。
- 見本は、完成形と書き方のルールの2つで作る
- 見本は、ChatGPTやClaudeの「プロジェクト」、Geminiの「Gem」に入れる
- AIをZoomやNotionとつなぎ、コピーして貼る手間をなくす
- 使い方は「聞く」「頼む」「任せる」の3段階で、段階は仕事ごとに決める
当社では2026年9月(29日時点)に、AIが915件の仕事をこなしました。
社長のチェックが減らないのは、社員ごとに出来がばらつくから
たとえば、クライアントとの打ち合わせのあとの議事録。多くの会社では、こんな流れになっています。
- 社員が、ZoomやGoogleMeetの文字起こしをコピーする
- ChatGPTに貼って「議事録を作って」と頼む
- 出てきた文章を、Notionや共有フォルダに貼る
- 社長が読んで、抜けや書き方を直す
Aさんは箇条書き、Bさんは長い文章、Cさんの議事録には決定事項が入っていない。形も中身もそろわないので、社長は毎回、指摘しなければいけません。
これは珍しい話ではありません。商工中金の調査(2026年1月、中小企業3,892社が回答)では、生成AIを「会社としては導入せず、使うかどうかは個人の判断に任せている」企業が64.9%と、最も多くなりました。使い方を個人に任せれば、出来が人によって変わるのは当然です。
出典:商工中金「中小企業の生成AIの利用にかかる調査(2026年1月調査)」
社員にプロンプトの書き方を研修するのがいいんですかね?
研修で上手になる人はいますが、人による差は残ります。社員に頼み方を覚えてもらうより、「この形で書いて」という見本をAIの側に置いておくほうが、早くて確実です。
まずは見本を渡す。今のChatGPTのままで、今日からできます
やることは、社長が「これなら合格」と思える完成形を1つ用意し、書き方のルールと一緒にAIに渡しておくことです。この記事では、この2つをまとめて「見本」と呼びます。
議事録なら、見本はたとえば次の2つです。
- 完成形:社長が直した議事録を1つ
- 書き方のルール:「決定事項は表にする」「次のアクションには担当者と期限を書く」「会議で出ていないことは書かない」など
これを、ChatGPTやClaudeなら「プロジェクト」、Geminiなら「Gem」という機能に入れておきます。どちらも、指示や資料をあらかじめ登録しておける場所です。社員はそこを開いて文字起こしを貼るだけで、誰が頼んでも同じ形のたたき台を受け取れます。
出典:OpenAI ヘルプ「ChatGPT のプロジェクト」、Claude ヘルプ「What are projects?」(英語)、Gemini アプリ ヘルプ「Gemini アプリで Gem を使用する」

出来に不満があれば、ルールに1行書き足します。次からは、全員が頼んだ分が直ります。社員に一人ずつ教え直す必要はありません。要件整理や月次レポートでも、やり方は同じです。
ただし、この時点では、文字起こしをコピーして貼る手間と、でき上がりをNotionなどに貼り直す手間が残ります。これをなくすのが、次に説明する「AIとツールをつなぐ」使い方です。
次に、AIとツールをつないで「貼り直し」をなくします
AIの使い方は、AIがどこまで自分で動くかによって、3つの段階に分けられます。
| 段階 | AIが動くきっかけ | 人がすること |
|---|---|---|
| 1. AIに聞く | 人が文章を貼って頼んだとき | 貼る、貼り直す、整える |
| 2. AIに頼む | 人が一言頼んだとき。AIがZoomやNotionを自分で読み書きする | でき上がりを確認する |
| 3. AIに任せる | 決まった時刻。人が頼まなくても動く | 届いた知らせを読んで判断する |
前の節の見本は、どの段階でも使います。見本が出来のそろい方を決め、段階が人に残る手間を決める、という関係です。
段階1 AIに聞く
ChatGPTの画面に文字起こしを貼り、「この会議の議事録を作って」と入力する使い方です。多くの会社は、いまここにいます。

AIが書くのは議事録の文章だけです。文字起こしを貼るのも、でき上がりをNotionに貼り直して整えるのも人です。
段階2 AIに頼む
AIをZoomやNotionとつないでおき、「今日のZoomの議事録お願い」と一言だけ頼む使い方です。

AIがZoomの記録を探して読み、見本どおりに議事録を書いて、Notionに登録するところまで進めます。人は、でき上がった議事録を開いて確認するだけです。
このようにAIとツールをつなぐことを「連携」といいます。ChatGPTやClaudeは、設定画面からGmailやGoogleドライブなどを追加できます。つなげるツールや、読むだけか書き込みまでできるかは、サービスとプランによって違います。Zoomの記録を読ませるには、Zoomの有料プランで文字起こしを有効にしておきます。


段階3 AIに任せる
人が頼まなくても、AIが決まった時刻に自分で動く使い方です。当社では、平日は2時間おきにAIがメールを確認し、返信が必要なものを、返信の下書きつきで知らせてきます。

人は、届いた知らせを読み、下書きを直して送るだけです。
段階は、会社全体ではなく仕事ごとに決めます。提案書の言い回しを考えるのは「聞く」、議事録は「頼む」、メールの確認は「任せる」のように、同じ会社の中で段階が違ってかまいません。
制作・運用の会社なら、この仕事から始められます
| 仕事 | AIが作るもの | 人がすること |
|---|---|---|
| ヒアリング後の要件整理 | 要件の一覧と、先方への確認事項 | 抜けと優先度を見る |
| 提案の準備 | 先方のサイトを読んだうえでの課題の仮説と、提案の骨子 | 提案の筋を決める |
| 月次レポート | 先月との差と、所見のたたき台 | 所見を直し、次の打ち手を書く |
| 公開前の原稿チェック | 誤字・表記ゆれ・画像の説明文(alt)の抜けの一覧 | 一覧を見て直す |
| 広告の数値チェック | CPAの急な上昇や、予算の使いすぎの知らせ | 配信を止めるかどうか決める |
どれも、自社のやり方がある程度決まっていて、最後に人が確認すれば済む仕事です。上の4つは「頼む」段階から始められます。広告の数値チェックは、広告の数字を毎朝スプレッドシートに書き出す仕組みがあれば、「任せる」段階で回せます。
なかでも提案の準備は、売上に直結します。たたき台をAIが作れば、社長は「どんな提案にするか」を決めることに時間を使えます。
最初の1つは、4つの条件で選びます
- 定期的にくり返す:毎週、またはクライアントごとに毎月くり返す仕事は、効果が早く見える
- 使うツールが決まっている:「Zoomの記録を読んで、Notionに書く」のように、読むものと書き込む先がはっきりしている
- 最後に人が確認すれば済む:AIの出来が完璧でなくても、人が直せば使える
- 間違えても取り返しがつく:社内向けの資料やたたき台から始める
制作・運用の会社なら、議事録、ヒアリング後の要件整理、クライアントごとの月次レポートが当てはまりやすい仕事です。クライアントへの送信、支払い、契約は、最初には選びません。
1か月で1つの仕事を「AIに頼む」段階に移します
- 1週目:選ぶ。AIの答えを貼った先を1週間メモし、回数が多い仕事から1つ選ぶ
- 2週目:見本を作る。社長が完成形と書き方のルールを作り、ChatGPTのプロジェクトなどに入れて、自分で何度か試す
- 3週目:ツールとつなぐ。会社名義のアカウント(法人プラン)で、AIとその仕事のツールを連携する。最初は書き込みを許可せず、読むだけで試す
- 4週目:社員に広げる。社員にも同じ一言で頼んでもらい、かかった時間を記録する。直したいところは、見本のルールに書き足す
どこまでAIに回し、どこを人が確認するかは、品質に責任を持つ社長が自分で試して決めます。
あわせて、クライアントから預かった情報は会社名義のアカウントでだけ扱い、社員個人のアカウントには入れない、と社内で決めておきます。クライアントとの契約にAI利用の決まりがあれば、それに従います。
当社では、9月にAIが915件の仕事をこなしました
「具体的な活用事例が足りない」という声は多く、中小機構が2026年3月に公表した調査でも、83.3%の企業が「成功事例や活用事例などの情報」が足りないと答えています。参考までに、当社が実際にAIに回している仕事を公開します。
2026年9月(29日時点)に当社のAIがこなした仕事は915件で、多かったのはメール・連絡(247件)、調べもの(176件)、契約・請求・経理(138件)でした。相談や壁打ちは23件だけで、大半は「作業」です。
当社のAIの作業記録より。1件は、依頼1回、または決まった時刻の自動チェック1回です
このうち、次の仕事は「任せる」段階で、人が頼まなくても決まった時刻に始まります。
| いつ | AIがすること | 人がすること |
|---|---|---|
| 毎朝8時 | 期限が近い案件と、その日の予定を知らせる | 今日やることを決める |
| 平日、2時間おき | メールと取引先のチャットを確認し、返信が必要なものを下書きつきで知らせる | 下書きを直して送る |
| 平日の夕方 | 領収書のメールやレシートを読み取り、経費の記録に入れる | 月末に記録を確認する |
AIからは社外にメールを送れない設定にしてあり、AIが作るのは下書きまでです。
よくある質問
今使っているChatGPTやGeminiのままで始められますか?
はい。見本を渡すところまでは、今のサービスのままですぐに始められます。ツールとの連携も、ChatGPTやClaudeはGmailやGoogleドライブなどに対応しており、Google WorkspaceのGeminiはプランによってGmailやGoogleドライブの中で使えます。ただし、つなげるツールと、書き込みまでできるかは、サービスとプランによって違います。
エンジニアがいなくても進められますか?
「聞く」「頼む」の段階は、設定画面の操作で始められるものが多いです。「任せる」段階の、決まった時刻にAIを動かす仕組みは、少し作り込みが要ります。当社はこの部分を、開発者向けのAIツール「Claude Code」で作っています。
費用はどのくらいかかりますか?
「頼む」段階までなら、AIの法人プランの月額が中心です。当社の場合、2026年8月はAIエージェント本体の実費が1.6万円でした。Notion・APIの利用料を含めると、月5万円前後です(仕組みを作り込んだ手間は含みません)。内訳と、人がやった場合と比べた効果は「AIエージェント稼働時間と費用の月次レポート 2026年8月」で公開しています。
外に頼むと、自社で直せなくなりませんか?
見本は自社のGoogleドライブやNotionに置き、自社のアカウントで動かします。直したい点が出たら、社員がルールに書き足せば済みます。外に頼む場合も、見本が自社の手元に残る形にしておきます。
AIが自動で動くと、危なくないですか?
自動で動かすのは、「洗い出して知らせる」「記録に入れる」のような、間違えても取り返しのつく仕事に限ります。クライアントへの送信や支払いは、人が確認してから行います。また、AIが止まって知らせが来なくなっても気づけるよう、動かなかったときに通知が来る仕組みも一緒に作ります。
- 社長のチェックが減らない原因は、社員ごとにAIの出来がばらつくこと
- 社長が作った見本(完成形と書き方のルール)をAIに渡せば、今のChatGPTのままでも出来がそろう
- AIとツールをつなぐと、コピーして貼る手間もなくなる。使い方は「聞く」「頼む」「任せる」の3段階で、段階は仕事ごとに決める
- 最初の1つは、定期的にくり返し、使うツールが決まっていて、最後に人が確認すれば済み、間違えても取り返しがつく仕事から選ぶ
- 見本は自社の手元に置き、社内で書き足しながら使う
中小企業のAI参謀「ENAI」では、どの仕事をどの段階まで進めるかの見極めから、ツールとの連携、見本づくりまでを支援し、社内で直しながら使い続けられる状態にします。